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誤配トラブルが起きたときの対応方法

EC
弁護士 千葉直愛

「お客様が指定したのと違う住所に商品を送ってしまった」

「発送する商品の個数を間違えてしまった」

「お客様が指定したのと違うカラーの商品を発送してしまった」

サイト規模が拡大し、注文数が増大するにつれ、一定の確率で発生してしまう誤配トラブル。

この記事では、誤配が起きてしまった場合の対応方法を、弁護士が解説します。

誤配に関するショップの責任を理解しよう!

まずは誤配事故を起こしてしまった場合のネットショップの責任を理解しましょう。

ショップの責任を一言でいうと「お客様が注文したとおりの商品を、再度正しい住所にお送りすること」です。


ショップと顧客の間に成立しているのは「売買契約」です。売買契約におけるショップ(売主)の責任は、「顧客の指定した場所に、顧客の指定した商品を届けること」です。

誤配は、単純に、顧客の指定した場所に商品が届かなかった、あるいは顧客の指定したのと異なる商品が届いてしまったということですから、改めて、「顧客の指定した場所に、顧客の指定した商品を届ける」ことさえできれば、ショップがそれ以上の責任を負うことは基本的にありません。

損害賠償を請求されたら?

とはいえ、世の中には様々な顧客が存在します。

たとえば、「指定した商品の到着が1週間も遅れた!損害賠償として1万円払え」と言われたら、ショップは1万円を支払わないといけないのでしょうか?


答えは「NO」です。

冒頭で説明したとおり、誤配を起こしたときのショップの責任は、「顧客の指定した場所に、顧客の指定した商品を届けること」です。

その責任を果たしているにも関わらず、損害が発生しているというのであれば、その損害の発生については、裁判上、顧客が証明する責任を負います。

そして、一般消費者向けの販売で、商品の到着が遅れたことを理由に損害が発生したことが裁判上認められるケースは、相当限定されています。

クリスマスケーキなど、どうしてもその日に到着しなければ意味がない商品についても、基本的には売買契約を解除して代金相当額を返金すれば足ります。

マナーとして、丁寧なお詫びの連絡に務めることはあっても、それを超えて不当な金銭的要求には応じないようにしましょう。

個人情報の漏洩と言われたら?

では「私の氏名、住所、電話番号が書かれた納品伝票が見知らぬAさんの家に届いている!これは個人情報の漏洩だから慰謝料10万円を払え」と言われた場合はどうでしょうか?


たしかに、ショップには、顧客の個人情報を管理する義務があり、個人情報を漏洩した場合には、債務不履行責任や不法行為責任を負う可能性があります。

しかし、ネットショップにおいては、納品伝票が流出したとしても、そこに記載されている情報は「氏名、住所、電話番号、メールアドレス」といった情報にとどまり、たとえばクレジットカードの番号などは記載されていないことが多いと思います。

そのような内容の流出にとどまるのであれば、損害賠償額(お見舞金、という名目で支払うことも多いです)は、ひとりあたり500〜1,000円、多くても数千円程度が大雑把な相場感となっています。

また、万が一クレジットカードの番号が乗っていた場合でも、基本的にはカードの再発行手続きを行えばそれ以上の損害が発生することはないため、上記のお見舞金にカード再発行手数料相当額を加算した金額が損害賠償額ということになります。

また、支払い時のテクニックとして、現金ではなくショップのポイントなどで対応する例もあります。

「個人情報」ということばがひとり歩きし、顧客も過剰な反応をすることがありますが、以上の相場観をイメージした上で、具体的な対応にあたるようにしてください。

なお、以上のとおり、個人情報漏洩の際のリスクを低減するために、納品伝票には必要最低限の個人情報しか載せないという事前の対策が考えられます。

謝罪メールの文例

以上みてきたとおり、誤配事故を起こしたときのショップ側の法的な責任は、過大な損害賠償を負担するといったものではなく、「顧客の指定した場所に、顧客の指定した商品を届けること」さえできれば、基本的に大丈夫です。

ただし、誤配を起こされた顧客側が感情的になっているケースもあり、具体的な対応としては顧客に対する真摯な対応、特に初動がきわめて重要になります。

そこで以下では、誤配に気づいたときにすぐに送ることができるよう、簡単な謝罪メールのテンプレートを掲載しますので、よろしければご利用ください。

〇〇様
大変お世話になっております。
〇〇ショップ担当の〇〇と申します。
平素、当ショップをご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
さて、○月◯日にご注文いただいた下記の商品ですが、当ショップ側で確認したところ、◯◯様からご指摘があったとおり、◯◯様の指定住所と異なる住所地に配送されておりました。
改めて、深くお詫び申し上げます。
なお、◯月◯日付けでご注文のあった商品を再度〇〇様のご指定住所地宛、送付済みですので、お手数ですが受領のほどお願い申し上げます。
今後、このような事態が生じないよう、ショップとして再発防止対策を徹底いたします。
何卒、変わらぬご愛顧のほど、宜しくお願い申し上げます。
重ねまして、この度の件につきまして、深くお詫び申し上げます。
〇〇ショップ 担当〇〇


まとめ

いかがでしたでしょうか。

誤配はどうしても一定確率で生じうるものです。

誤配が起きてしまったときは、慌てずに、まずは誤配事故が起きたときのショップ側の法的な責任を理解した上で、できるだけ早期に丁寧な初動対応を心がけ、トラブルが必要以上に大きくならないようにしましょう。

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弁護士 千葉直愛
千葉直愛法律事務所代表弁護士 | スタートアップ向けの法務サービスを多数提供 | KIYACプロジェクト代表

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